エンドレスプロデュース&ファーストプロデュース(草稿)

プロデューサーとアイドルの、
いつまでも繰り返す「一年間」について。
(草稿)




イドルマスターの世界は、「その一年」を繰り返す。
成功や失敗とは無関係に、プレイヤー自身が「そのとき」を決めるまで、いつまでも夢(ループ)は続く。


エンディングにて、プロデューサー自身が「1からのスタートじゃない。俺には経験という武器がある」と発言する通り、次の一年へ持ち越すことができるのは、事務所、衣装、アクセサリーを除くと「(プレイヤーと、プロデューサーの)経験」だけである。
記憶は引き継ぐことができない。
だから、プロデューサーとアイドルはあの世界で何度でも巡り会い、似て非なる新たな「一年」を共に過ごすのだ。


そんな終わりのない世界で、「最初のプロデュース」は特別なものである。
お互い芸能界はまったくの素人という状態で、プロデューサーとアイドルが出会う、たった一度きりの「一周目」。

担当できるのはソロだけ、衣装やアクセサリーもほとんどなく、拠点も雑居ビル二階の小さな事務所。
アイドルの「一番最初のファン」になるのも、「お姫様ティアラ」を贈ることができるのも、オーディションに落ちても特別合格できたり、白紙の状態から動き出す日々に一緒にどきどきしたりするのも。

新人プロデューサーとしてアイドルを担当できるのは、そのPの生涯たった一度きり。
ゆえに、最初の担当アイドルは、すべてのPにとって「たった一人」である。





ころで、360版アイドルマスターでは、周知の通り、星井美希のストーリーは二つに分岐する。
一般に、「表ルート&裏ルート」あるいは「ノーマルルート&覚醒ルート」などと呼ばれて分類されるけれども、筆者的にはもうひとつ付け加えたいのである。
原点。
すべての始まりのストーリー。
つまり、「一周目ルート」をだ。


「裏ルート」分岐は一度以上のプロデュースが最低条件である。
デュオやトリオであっても、一度も営業でコミュニケーションをとらなくても、その「芽」は確実に美希の中に育ち、繰り返す世界にある変化をもたらす。
それはプロデューサーとともに「その先」を歩む未来、という可能性である。
(表ルートでは、新しい関係は始まるが、プロデュースは継続されない。プロデュース継続は裏ルートランクAエンドのみ)



一周目の美希には、その可能性が存在しない。
「可能性」という点において、両者には明確な違いが存在する。

半分だけの可能性を持つ美希は、二度と現れない。
「一周目美希」は、文字通り、プロデューサーとはじめに出会ったその一年限定の、美希なのだ。





ンクSに上がると、プロデューサーは述懐する。

(とうとう俺も……ここまできたか……。感無量とは、このことだな……)
(自慢していいよな、このこと。自分の大切な人に……)
(おめでとう! よくやったよ)
(おめでとう! よくやりとげたよ)
(おめでとう!)



この言葉について、筆者はこんな風に解釈している。

プロデューサーが伝えたい「大切なひと」とはきっと、「最初に担当したアイドル」なんじゃないだろうか。
俺、頑張ったよ、頑張ってるよ、と。
あれから、こんなところまで来たんだぞ、と。
もちろん、その子は今目の前にいるその子自身としてずっと、繋がり続けている。


けれども、あの頃の自分と、彼女に、伝えたいのだ。
もがいて、走って、トップアイドルなんてはるか夢の先で、可能性も未知数だった、最初の一年、「一周目」の二人に。

そして、共に歩き続けてくれた、プレイヤーに。



「よく頑張ったよ」
「おめでとう」
「ありがとう」と。



記憶を引き継ぐことはできない、と書いたけれども、本当は、彼も、彼女たちも、心のどこかで覚えているのかもしれない。
(と、思うから、筆者は美希以外のアイドルとエンディングを迎えることは無かったし、これからも無いのだ)

Dend_20101109010727.jpg









て、実は、繰り返す世界を繋ぐもうひとつの手がかりがある。
「メール」と「ステータス(活動記録)」である。
思い出はメールやプロデュースデータという形をとって、限定的ではあるが保存、蓄積されていく。
無になるわけではない。

繰り返す一年は単なるループではなく、積み重なり、上へ上へと伸びてゆくらせんなのだ。

メールについてはまた場を改めて考察してみようと思う。