MEMORY -The FirstProduce- 第五話




プロデューサーと星井美希は、表裏両ルートにおいて、序盤から終盤まで、活動方針について幾度となく衝突する。
星井美希はマイペースで、自分が興味のないことについては一切こだわらない性格だが、趣味や得意分野の領域内においては、極端なまでに些細なことにも固執し、自分の意見をかたくなに譲らない。

たとえば写真撮影コミュで語られるが、友人に携帯写メを撮られる時ですら、アングルにうるさく口出しするという徹底ぶりである。

アイドルとしてのプロ意識以上に、彼女にとって絶対的な「美意識」。
「綺麗なものを綺麗に見せられないのが一番イヤ」とは、裏ルートでの花火大会時の美希のセリフである。


今回のライブハウスでのコミュでは、「オールOKだよ。むしろやったー」と誇らしげな美希と、「そんなわけないだろーっ?!」というプロデューサーのやりとりが印象的である。
彼と美希との温度差、互いの常識の相違が顕在化する。

美希には美学がない、と思うプロデューサーだが、美希は別に、面倒くさいから何でも適当に済ませたい、というわけではない。
美希には美希の論理がある。

アイドルの仕事を、「ファンを喜ばせること」と捉え、今回はそれを成し遂げることができた。
セリフを忘れるというトラブルを利用し、結果的に客の笑顔を引き出せた。
「だから問題ない」と判断しているのだ。

にもかかわらず、明確な理由なし、頭ごなしに「それはダメ」だと大人であるプロデューサーから言われることに、反発している。

「理由が分からない決まりへの無条件的反抗心」、大人への反発心。
自分らしさの羽根を押しとどめようとする周囲、社会への不信感。無意識から湧き出る諦観。

これは、美希の物語全編を通して紡がれているテーマのひとつで、裏ルートのAランクアップコミュ、そしてベストエンドに至ってようやくひとつの決着が着く。が、それはまた別の機会に語るとする。


「正論」や「常識」は、彼女とのコミュニケーションにおいては一度横に置こう。
同じ目線に並んで、美希にも納得できる、共感できる理由を見つけ、彼女とそれを共有すること。
それが、信頼関係を築いていく第一歩である。


なお、八月の仕事(表ルート)は、美希の才能を知る上でオススメのコミュ。

これまで本気で努力をしたことがない、にも関わらず、100m走は学年で一位、球技も運動部の助っ人として万端にこなす、潜水三分以上も全然平気など、底知れない能力の片鱗が見え隠れする。

担当プロデューサーとして、是非把握しておきたい情報である。



次回は、Eランク時代のお話。


関連記事

Comment

>「理由が分からない決まりへの無条件的反抗心」、大人への反発心。
>自分らしさの羽根を押しとどめようとする周囲、社会への不信感。無意識から湧き出る諦観。

このテーマが解りやすく諦観の部分まで文章化されたのを見たのは初めてな気がします。なるほど…「美希という天使の羽を広げるお手伝いをする物語」と考えると、ロマンチックですよね。
  • 2010/11/28 07:53
  • maronzu
  • URL
  • Edit
裏ルートランクCのアルバム発表については、どう思われます?
ここでの美希は、自分の写真へのこだわりを押し通そうとはせず
プロデューサーの言う通りにしてますが……
  • 2010/11/28 11:48
  • ぐうりんだい
  • URL
-コメントレスポンス-
上記のコメントの件について、以下の記事にて、レスポンスさせていただいております。

http://mikiologymm.blog120.fc2.com/blog-entry-52.html
  • 2010/12/02 00:23
  • WorldEndProduce(管理)
  • URL
  • Edit
Comment Form
公開設定

Trackback


→ この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)